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〜 東急池上線の魅力について 〜

土木工学科3年 3149番 M.N

1. 概要

 東急池上線は蒲田〜五反田の15の駅を結ぶローカル路線であり、各名所を結ぶ路線でもある。 1922年に蒲田〜池上間が開通、後から五反田まで通るようになった。今日では沿線に住む人にとっては欠かせない路線である。そこで写真を通じて、大人でも魅力を感じることのできる池上線を紹介する。


2. 区間ごとの魅力の紹介

2-1. 蒲田〜池上間

 この区間で有名なのは何と言っても池上本門寺である。日蓮宗のお寺で日蓮の墓があり、年間に数多くの行事が行われてその度に多くの人が集まってくる。特にその中でも有名なのは、お会式と呼ばれる行事で日蓮の命日である10月13日を中心に、万灯練りで供養し盛大に営まれるものであり、長時間にわたって行われているので、一度観覧するとその規模が分かるはずである。この区間でも私は次のような写真を撮った。
蒲田駅に入る池上線

写真1 蒲田駅に入る池上線
 蒲田駅の駅ビルは、東急プラザとグランデュオの2つから成り立っており、多くの店が並んでいる。その中でも駅ビルの屋上には50年程前から観覧車があり、これは極めて珍しい。それを踏まえて池上線と観覧車が一緒に写っている1枚を撮影した(写真1)。観覧車と池上線を一緒に写すことで蒲田にはこんなビルがあるということが分かる。なお、隣のホームは東急多摩川線で、一部の時間帯では相互直通運転を行っている。

2-2. 千鳥町〜石川台間

 この区間では次のような写真を撮った。
御嶽山駅

写真2 御嶽山駅
雪が谷大塚駅にある車両基地

写真3 雪が谷大塚駅にある車両基地
雪が谷大塚〜石川台間にある鉄橋

写真4 雪が谷大塚〜石川台間にある鉄橋
 写真2は御嶽山駅で、下に新幹線とJR横須賀線が通っていて子どもや鉄道マニアが楽しめるような駅であり、私も小さい時に何度も訪れた。そこで池上線と新幹線あるいはJR線が同時に走っている写真が撮れれば御嶽山駅の一つの魅力となると思い撮影した。ところが、同時に撮ることがなかなかうまくいかず20分〜30分くらい待ってようやく撮ることに成功し、この写真を撮るには時間とタイミングが重要であることを知った。ただ一つ悔やまれるのは池上線の下を通っている電車が新幹線だけでなく、横須賀線も通っていればより一層魅力が増していたかもしれない。
 写真3は池上線の車庫で、多摩川線の車両も収容することができる比較的大きい車両基地である。また雪が谷大塚は商業地域があって人通りが絶えない場所でもある。
 写真4は雪が谷大塚〜石川台にある鉄橋でよく見ると鉄橋の柵が無く、近くから見るとなかなかスリルがある。なぜ柵が無いかは分からず、対策もされていない。また一緒に写っている川は呑川と呼ばれる川で東京湾へと流れていく。この写真では川に鳥が泳いでいて、柵の無い鉄橋を渡る池上線と川で泳ぐ鳥を同時に撮ることのできた貴重な写真となった。

2-3. 洗足池〜五反田間

 この区間で有名なのは、池を中心とした公園になっていて、ボート乗り場や植物園、児童公園、図書館などがある洗足池である。ボート乗り場の隣にはレストランもあり1日のんびり過ごせる他、デートの場所として利用されることもある。また、旗の台や戸越銀座は、近辺に大学や高校などがあるため学生が多いことが特徴で、私も中高時代に旗の台を利用していた。そんな中で私は次の写真を撮った。
郊外から都会へ

写真5 郊外から都会へ
長原〜旗の台間で撮ったものである。私は池上線を撮るにあたり二つのテーマを決めて撮影を行っていた。それに私がもう一つ別のテーマを決めて撮影したものが上の写真である。大田区は高い建物が少なく住宅地域や商業地域が大半を占めている。都内でも環状線周辺はほとんどが住宅地域で環状線の内側ほどオフィスビルなどが立ち並んでいて都会と郊外がはっきりとしている。まさにこの写真はいざ仕事へ、といった意味合いを持たせようと思い撮影した。
池上線と山手線の下を流れる目黒川

写真6 池上線と山手線の下を流れる目黒川
 写真6は五反田駅で、駅に止まっている池上線と同時に山手線が走っているところを撮った写真である。冬に撮影したため桜を写すことができなかったが、春になると目黒川沿いに桜が咲いて綺麗な景色になる。この写真では、電車と電車とのつながりと、電車と川とのつながりを意識して撮影した。五反田駅ビルには東急ストアを含む店があり、さらに山手線と都営浅草線に乗り換えることができる。


3. まとめ

 池上線は、一見ただ住宅と都会を結ぶ路線だと思いがちだが、掘り下げてみるとたくさんの魅力や特徴がある。ここで私が写真で池上線の特徴を伝えようと思ったのは、ある鉄道のテレビ番組が見たことがきっかけであった。それを見たとき子どもだけでなく大人でも鉄道の魅力が分かる判断材料として参考にしようと思った。違う撮り方で鉄道の捉え方も変わってくるからである。是非、池上線を一度ご利用になってはいかかだろうか?


参考文献
  • 東急電鉄:「池上線」、http://www.tokyu.co.jp/ekitown/ik/、2015年8月参照
  • 日蓮宗大本山 池上本門寺:「本門寺とは 由来」、http://honmonji.jp/01what/01yurai/yurai.html、2015年8月参照
  • GO TOKYO:「池上本門寺「お会式」」、https://www.gotokyo.org/jp/kanko/ota/event/honmonji.html、2015年8月参照
  • キューピーの散歩同好会:「洗足池散策」、http://www3.plala.or.jp/sanpo/senzokuikekoen.html、2015年8月参照


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