1. 概要
E231系1000番台は、老朽化した近郊型電車を置き換えるため2000年に導入された車両である。本記事では、小山車両センター所属(以下、小山車)と国府津車両センター所属(以下、国府津車)の主な特徴や違いなどについて論述する。
2. 小山車と国府津車の概要
小山電車区所属のE231系1000番台は、JR宇都宮線(東北線)「上野〜宇都宮、黒磯間」・高崎線「上野〜高崎、前橋間」で使用されていた115系電車を置き換えるために導入され、2000年6月21日より宇都宮線の普通・快速列車として営業運転を開始した。また、高崎線内では2001年9月1日に普通・快速列車の営業運転を開始され、同年12月1日の湘南新宿ラインの運転開始とともに同線や直通先の横須賀線・東海道線へも運用を拡大した。2004年10月のダイヤ改正ですべての115系の運用を置き換えた。
![小山車両センター所属のE231系 (赤羽駅で撮影)](C-nakayama-01s.jpg)
写真1 小山車両センター所属のE231系 (赤羽駅で撮影)
最初に導入された編成は、1998年に横須賀線から転属してきた113系を置き換えた。その後、同年12月に大量導入され、その時点で約半数の運用がE231系となった。
国府津車両センター所属の車両は、JR東海道線「東京〜小田原、熱海間」で使用されていた113系電車を置き換えるために導入された。東海道線での運用に先駆けて、同年7月18日より宇都宮線・高崎線で暫定的に運用を開始し、10月16日より湘南新宿ラインおよび東海道線・伊東線・御殿場線の普通・快速列車で本格的に運用を開始した。2006年(平成18年)3月18日のダイヤ改正で113系の全定期運用を置き換えた。
![国府津車両センター所属のE231系 編成番号のみ (東京駅で撮影)](C-nakayama-02s.jpg)
写真2 国府津車両センター所属のE231系 編成番号のみ (東京駅で撮影)
国府津車両センター向けの車両では新たにグリーン車の組み込みが行われ、これに合わせて小山車両センター向けの近郊タイプにもグリーン車の組み込みが実施されることになった。
3. 小山車と国府津車の特徴と違い
E231系1000番台の制御方式はVVVFインバータ制御と呼ばれる方式で、一部の鉄道ファンからは発車時にある段階で音程が下がるため別名「墜落インバータ」とも呼ばれている。また、普通車の車内はロングシートが標準であるが、宇都宮線・高崎線・東海道線で使用されている編成の15,14,10,9,2,1号車にはセミクロスシートの車両が連結されている。
![E233系3000番台との連結 (上野駅で撮影)](C-nakayama-03s.jpg)
写真3 E233系3000番台との連結 (上野駅で撮影)
これまではE231系とE233系の運用が固定運用となっていたが、2015年3月のダイヤ改正より上野東京ラインが開業した。それに伴い共通運用化され、E233系3000番台との連結がみられるようになった。また以前は、宇都宮・高崎線は小山車、東海道線は国府津車という組み合わせだったが、ダイヤ改正後、高崎線内の運用の大半が国府津車となった。
小山車と国府津車は、外観は同じだがそれぞれの特徴を知っていれば簡単に見分けることができる。ここでは、いくつかの見分け方について説明する。
![小山車のドアステッカー (上野駅で撮影)](C-nakayama-04s.jpg)
写真4 小山車のドアステッカー (上野駅で撮影)
![国府津車のドアステッカー (車内から撮影)](C-nakayama-05s.jpg)
写真5 国府津車のドアステッカー (車内から撮影)
このように小山車のドアには複数のステッカーが貼っているが、国府津車のドアにはステッカーがあまり貼られていないためドアを見ればすぐに区別することができる。また、小山車は汚れが目立つため国府津車と見比べてみてもすぐに理解できる。その他にも10,9号車にセミクロスシートがついているか、6号車にお手洗いが設置されているかで見分けられることができるが直接見ないと判断することは難しい。
参考文献
- WAKWAK:「高崎線のページ‐車両‐E231系電車」、http://park2.wakwak.com/~genzo/takasakisen/coach/ece231.html、2015年8月参照
- Tokyo North-South Railway:「車両運用データ」、http://ssline.myhome.cx/unyou/、2015年8月参照
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