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〜 E233系5500・5600番台 〜

交通システム工学科3年 3003番 K.A

1. 概要

1-1. E233系の概要

 E233系とは、2006年に登場したJR東日本の通勤型電車である。まず、0番台がJR中央線快速電車・JR青梅線・JR五日市線に導入され、JR八高線・富士急行線まで運用区間が拡大された。その後、1000番台がJR京浜東北線、2000番台がJR常磐線各駅停車、3000番台がJR東海道線・JR宇都宮線・JR高崎線、5000番台がJR京葉線、6000番台がJR横浜線、7000番台がJR埼京線、8000番台がJR南武線と次々に導入されていった。
 E233系は首都圏+静岡県の1都8県でその姿を見ることができる。2015年7月現在、8000番台の増備が進んでおり、これが全て完了するとE233系は3,197両製造されることになる。これは103系、新幹線0系に次ぐ3番目の製造数となる見込みである。

1-2. E233系5500番台・5600番台の概要

 まず、E233系5000番台について述べる。E233系5000番台とは、2010年7月1日より営業運転を開始したJR京葉線の新型車両のことである。全車両が新習志野〜海浜幕張間にある京葉車両センターに配置されている。本系列の導入により、201系・205系の全ての編成と209系500番台の一部編成を置き換えた。なお、E331系は置き換えの対象ではなかったが、2014年に廃車となった。
 走行機器類は基本的に0番台と同仕様である。昨年度の「EXPRESS 第40号」でも執筆したが、在来線用試験電車である209系「MUE-Train」が高速データ通信「WiMAX」を車両に搭載する実証実験を行い、その結果、本番台より本格導入され、車内扉上部の案内LCDに表示されるニュースや天気予報等のコンテンツがリアルタイムに更新可能となった。乗降ドアには3/4ドア機能が搭載されており、長時間停車する際には各車両1箇所以外のドアを閉めて車内保温をすることができる。
 次に、E233系5000番台と5500・5600番台の違いについて述べる。5000番台は10両固定編成のことを指し、5500・5600番台は6+4両分割編成のことを指す。後者は分割・併結が可能であること以外、両者の大きな違いは見られない。

表1 5500・5600番台の諸元

編成

6両(5500番台)

4両(5600番台)

営業最高速度

110km/h

設計最高速度

120km/h

起動加速度

2.5km/h/s

車両定員

先頭車142人(座席39人)

中間車160人(座席54人)

全長

20.0m

車両質量

28.9〜32.5t

電気方式

直流1500V

主電動機

かご形三相誘導電動機

主電動機出力

140kw

駆動装置

TD平行カルダン駆動方式機

制御装置

VVVFインバータ制御

台車

軸梁式ボルスタレス台車

制御方式

回生ブレーキ併用

電気指令式ブレーキ・純電気ブレーキ

メーカー

JR東日本新津車両製作所



5500・5600番台(前面)

写真1 5500・5600番台(前面)
5500・5600番台(全体)

写真2 5500・5600番台(全体)
5500・5600番台(連結部)

写真3 5500・5600番台(連結部)


2. 定期運用区間

表2 5500・5600番台の定期運用区間

路線

区間

JR京葉線

東京〜蘇我

JR武蔵野線

西船橋〜海浜幕張

JR外房線

蘇我〜勝浦

JR内房線

千葉〜上総湊

JR東金線

大網〜成東



 E233系5500・5600番台は基本的にJR京葉線の東京〜蘇我間で運行されている。その日入っている運用によって、JR京葉線の東京〜海浜幕張間が中心となることもある。
 JR京葉線には夕ラッシュ時に東京発の勝浦・成東行きが、朝ラッシュ時に勝浦・成東始発の東京行きがそれぞれ1運用ずつあり、その運用には必ず5500・5600番台が充てられる。分割・併結はどちらもJR外房線の誉田で行われる。ちなみに勝浦を発着する編成は勝浦到着後回送され、翌日成東を発着する編成と併結する運用となるが、成東を発着する編成は成東到着後、JR東金線の普通列車として運用に入る。また、翌日勝浦を発着する編成と併結する運用の前にも同様の運用に入る。これは一般的にあまり知られていない。
JR東金線通勤快速成東ゆき&JR外房線通勤快速勝浦ゆき(蘇我駅発着シーン)

動画1 JR東金線通勤快速成東ゆき&JR外房線通勤快速勝浦ゆき(蘇我駅発着シーン)
 また、先述したJR東金線の普通列車となる運用の他に一般的にあまり知られていない運用が3つほどある。これらは昨年度の「EXPRESS 第40号」で執筆させていただいたので、そちらを参照いただきたい。


3. 駅名対照表

5500番台・5600番台の駅名対照表

別紙1 5500番台・5600番台の駅名対照表


参考文献
  • JR東日本:「車両図鑑」、http://www.jreast.co.jp/railway/train/、2015年7月参照
  • JR東日本:「駅の時刻表」、http://www.jreast-timetable.jp/、2015年7月参照
  • 二之宮隆:「京葉線」、『首都圏鉄道完全ガイド 主要JR路線編』、双葉社、p.74、2013年12月


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