←前のページへ 次のページへ→
〜 武蔵野線205系・209系、
その他貨物列車など 〜


交通システム工学科2年 4027番 T.K

1. 概要

1-1. 武蔵野線とは?

 武蔵野線は西船橋〜府中本町間の旅客運行区間71.8キロを結ぶ鉄道であり、府中本町〜新鶴見信号所〜鶴見間の武蔵野貨物線を合わせると100.6キロに及ぶ。また西浦和〜武蔵浦和間から与野まで大宮方向へも4.9キロ延びている。武蔵野貨物線の旅客定期列車はなく、貨物列車や臨時列車の走行のみになっている。管轄支社は大宮支社である。行先としては上りが府中本町へ向かい、下りは西船橋をはじめ、その先の京葉線に直通し新浦安、舞浜、新木場などを通り東京へ向かう列車や、南船橋、新習志野を通り海浜幕張まで向かう列車がある。駅名には東西南北がつく駅が多く、また他路線との接続駅が多いことが特徴である。

1-2. 歴史

 武蔵野線開業は昭和48年(1973年)4月1日で府中本町〜新松戸間であった。昭和53年(1978年)になると新松戸〜西船橋間が開業し全線開通となった。また昭和61年(1986年)〜昭和63年(1988年)にかけて京葉線が計画され運転を開始した。元々、武蔵野線を計画した目的としては山手貨物線の代替である東京外環貨物線を作ることが狙いであった。その後旅客線への運転計画がなされ、沿線が開発され、住宅街が形成されていった。


2. 車両

 ここからは武蔵野線を走行している列車について述べていきたいと思う。

2-1. 205系、209系

205系0番台(舞浜にて)

写真1 205系0番台(舞浜にて)
205系5000番台(船橋法典にて)

写真2 205系5000番台(船橋法典にて)
209系500番台(越谷レイクタウンにて)

写真3 209系500番台(越谷レイクタウンにて)
 写真1〜写真3の車両が武蔵野線で使用されている車両である。両数は全て8両編成で運転されている。まず、写真1は205系0番台であり、編成構成は6M2Tで界磁添加励磁制御、直流モーターである。乗車してみるとモーター音が車内に響きとても賑やかである。現在では写真1のような武蔵野線オリジナル編成の「メルヘン顔」という名で親しまれていて前面にスカートがない特徴の車両と、今年新たに南武線から転属してきたM51編成、M52編成が存在する。まず「メルヘン顔」から紹介するとメルヘン顔の編成はM35、M62〜M65編成の5本存在する。このメルヘン顔のうち、M35編成のみ後に述べていくVVVFインバータ制御となっている。M51、M52編成の顔は205系の原型顔をしているが現在武蔵野線を走行している原型顔と比べ、パンタグラフはシングルアームが採用され、帯色も少し濃いオレンジ色になっているのが特徴である。写真2は205系5000番台であり山手線、埼京線、総武緩行線など他線から転属してきたものである。こちらは4M4TでVVVFインバータ制御が採用されている。車内音は先に述べた0番台よりも比較的静かである。こちらは武蔵野線内で他の車両より編成数が多いので頻繁に見かけることができる車両である。写真3は209系500番台でありVVVFインバータ制御が採用されている。武蔵野線ではM71、M72、M73編成の計3本が所属する。この3本は、総武緩行線、京浜東北線、京葉線の路線を渡り歩いてきた働き者である。
 ここまでは武蔵野線で使用されている車両について述べてきたが、他にも武蔵野線を走行している列車は「貨物」、「工臨」と幅広いジャンルで存在する。ここからはそれらの列車について述べていきたいと思う。

2-2. 貨物

貨物列車(吉川にて)

写真4 貨物列車(吉川にて)
 武蔵野線は写真4のような「貨物列車」が多く走行しており特徴的な機関車が通ると沿線の撮影地は撮り鉄で賑わっている。例えばEF210形「桃太郎」をはじめ、EH200形「ブルーサンダー」、特にEF65の原色や「ゼロロク」の愛称で親しまれているEF66などが武蔵野線内を走行する日は貨物ファンにとってたまらない一日である。また新鶴見機関区や東京貨物ターミナルを起点に東北本線、高崎線、千葉や山梨方面などあらゆる方向へ向かっていくので牽引する機関車はもちろん、貨車ではコキやタキなど色々なものを見ることができる。

2-3. 工臨

工臨(越谷レイクタウンにて)

写真5 工臨(越谷レイクタウンにて)
 武蔵野線では荷物を運ぶ貨物列車の他にも各地にレールを輸送する「工臨」と呼ばれる列車が走行している。なぜ武蔵野線に工臨が走行しているのかというとレール発送の拠点である新小岩操車場から新小岩〜金町を走る「新金線」、金町〜馬橋付近まで常磐線を通り、南流山付近で武蔵野線に合流し、東北、高崎、中央線や東京都内、神奈川県までレールを輸送しているからである。こちらも運転日になると沿線が撮り鉄で賑わう。牽引する釜は主に田端機関区所属のEF65形1000番台が担当し、レール(チキ)を牽引している。

2-4. おまけ

わくわくドリーム号(吉川美南にて)

写真6 わくわくドリーム号(吉川美南にて)
 貨物列車や工臨の他にも武蔵野線には正月に成田山新勝寺へ初詣参拝客を輸送する「成田臨」や京葉線舞浜駅が最寄りの「東京ディズニーランド・東京ディズニーシー」へと向かう「TDR臨」など臨時列車が存在する。このTDR臨の代表的な列車として写真6のような「わくわくドリーム号」が挙げられる。夕方に青森を出発し日本海側、高崎線を通って武蔵野線へ合流し京葉線に入り、朝舞浜駅に到着する列車である。国鉄型の代表的な車両である583系が使用されているので、運転日になると多くの撮影者が武蔵野線沿線に訪れている。


3. 終わりに

 このように見てみると武蔵野線では多くの車両、列車が活躍している。特に武蔵野線は新型車両の導入は未定になっており、沿線民からするとE233系のような新型車両を早く見てみたい気持ちは少し持っているが、どんな車両であれ武蔵野線がこれからも1日1日安全に多くの方を輸送してほしいと心から思っている。これまで武蔵野線に乗ったことがない方や知らなかった方がこの記事をきっかけに武蔵野線に興味を持って頂き、足を運んでいただければ幸いである。


参考文献
  • Musashino Dream Network:「武蔵野線序論、車輌概論」、http://www.joy.hi-ho.ne.jp/musashino/、2015年8月参照
  • みや:「武蔵野線」、http://bosoview.sakura.ne.jp/jr/musashino/musashino.html、2015年8月参照
  • ブンセイの森:「JR武蔵野線」、http://www.asahi-net.or.jp/~eg6f-tkhs/tetu/musasinosen.htm、2015年8月参照
  • 4号車の5号車寄り:「205系京葉車両センター編成表(最新版)」、http://tx-style.net/jr/4123.php、2015年8月参照


− 18 −

←前のページへ ↑このページのトップへ↑ 次のページへ→