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〜 JR東海313系電車 〜

交通システム工学科2年 4086番 T.N

1. 概要

 JR東海313系電車は国鉄時代に製造された車両から自社製車両への置き換えを目的として製造された車両である。同社すべての電化路線区間で運行されている。近郊輸送、ローカル路線でのワンマン運転と幅広く活躍している。そのため、313系には車内設備や機器、編成両数の違いから数多くの番台が存在する。各番台については後述するが、2015年7月末日現在、全部で17番台存在している。
313系1300番台

写真1 313系1300番台


2. 各番台

 後述する1次車と3次車以降の見た目の大きな特徴は行き先表示器と前照灯である。行き先表示器は1次車が幕式、3次車以降がフルカラーLED式を採用している。前照灯については、1次車が黄白色の白熱灯、3次車以降は窓下のものは青白のHIDランプ、貫通扉上は日本の鉄道車両では初めて超高輝度白色LEDを採用している。また、5次車については車内照明がLED化されている。
313系0番台

写真2 313系0番台
313系5000番台

写真3 313系5000番台

2-1. 1次車

・0番台
 4両全15編成(海カキY1〜Y15)
 ドア車端部向き固定の転換クロスシート。主な運転区間は東海道本線浜松〜米原だが、掛川や武豊線にも乗り入れている。

・300番台
 2両全16編成(海カキY31〜Y46)
 ドア車端部向き固定の転換クロスシート。主な運転区間は東海道本線豊橋〜米原である。

・1000番台
 4両全3編成(海シンB1〜B3)
 車端部ロングシートドア横向き固定の転換クロスシート。主な運転区間は中央西線である。

・1500番台
 3両全3編成(海シンB101〜B103)
 車端部ロングシートドア横向き固定の転換クロスシート。主な運転区間は中央西線であるが、関西本線にも乗り入れている。

・3000番台 
 2両全28編成(静シスV1〜V12、海カキR101〜R116)
 車端部ドア横ロングシート、その他は固定ボックスシート。ワンマン運転用として運賃箱、運賃表示器などの設備を備えている。主な運転区間は身延線、御殿場線、飯田線である。

・8500番台
 3両全6編成(海シンB201〜B206)
 車端部セミコンパートメント扉間転換クロスシート。中央西線の有料列車セントラルライナー用の車両であり、他番台とはカラーリングが大きく異なる。なお、セントラルライナーは2013年3月15日のダイヤ改正をもって廃止されている。また、B205,B206編成は2次車になる。主な運転区間は中央西線である。

2-2. 3次車以降

・1100番台
 4両全13編成(海シンB4〜B6、海カキJ1〜J10)
 車端部ロングシートドア横向き固定の転換クロスシート。B4、B5編成は3次車、B6,J1〜J7は4次車、J8〜J10は5次車になる。主な運転区間は東海道本線浜松〜米原、中央西線である。

・1300番台
 2両全32編成(海シンB401〜B408、B501〜B524)
 車端部ロングシートドア横向き固定の転換クロスシート。B400編成はワンマン非対応、B500編成はワンマン対応と、同じ番台ながら大きな違いがある。主な運転区間は中央西線、関西本線、であるが、東海道本線名古屋〜岐阜間にも乗り入れている。また、2015年3月14日のダイヤ改正後、武豊線での運用もある。

・1600番台
 3両全4編成(海シンB104〜B107)
 車端部ロングシートドア横向き固定の転換クロスシート。主な運転区間は中央西線、関西本線である。

・1700番台
 3両全3編成(海シンB151〜B153)
 車端部ロングシートドア横向き固定の転換クロスシート。1600番台をベースにしているが、ダブルパンタ化、半自動ドア等を取り付けている。主な運転区間は飯田線、篠ノ井線、中央本線であるが、神領車両区に常に予備編成として1編成いるため、中央西線や関西本線にも乗り入れることがある。

・2300番台
 2両7編成(静シスW3〜W7)
 オールロングシートである。静岡地区の211系との併結運転が多い。主な運転区間は東海道本線豊橋〜熱海、身延線、御殿場線である。

・2350番台
 2両2編成(W1〜W2)
 オールロングシートである。基本は2300番台と変わらないが、霜取りのためにダブルパンタ化されている。静岡地区の211系との併結運転が多い。主な運転区間は東海道本線豊橋〜熱海、身延線、御殿場線であるが、冬は身延線、御殿場線のみの運用となる。

・2500番台
 3両17編成(T1〜T17)
 オールロングシートである。静岡地区の211系との併結運転が多い。主な運転区間は東海道本線豊橋〜熱海、身延線富士〜西富士宮、御殿場線である。

・2600番台
 3両10編成(N1〜N10)
 オールロングシートである。静岡地区の211系との併結運転が多い。主な運転区間は東海道本線豊橋〜熱海、身延線、御殿場線である。

・3100番台
 2両全2編成(静シスV13〜V14)
 車端部ドア横ロングシート、その他は固定ボックスシート。ワンマン運転用として運賃箱、運賃表示器などの設備を備えている。主な運転区間は身延線、御殿場線である。

・5000番台
 6両17編成(Y101〜Y117)
 全席転換クロスシートである。東海道新幹線700系新幹線で実用化されているセミアクティブサスペンション、車体間ダンパを装備している。また、Y101〜Y112は3次車、Y113〜Y117は4次車になる。主な運転区間は東海道本線豊橋〜大垣であり、朝夜は浜松、米原にまで乗り入れている。

・5300番台
 2両全5編成(海カキZ1〜Z5)
 ドア車端部向き固定の転換クロスシート。300番台との大きな違いはほとんどない。主な運転区間は東海道本線豊橋〜米原である。
211系と併結運転する313系2500番台

写真4 211系と併結運転する313系2500番台


3. まとめ

 全部同じ顔をしている。全部同じでつまらない。と、言われることの多い313系であるが、各番台、編成ごとにそれぞれ多くの違いが存在する。今回の私の記事は313系の極一部のことにしか触れていないが、この記事を読んだことで少しでも313系に興味を持ってもらえれば幸いである。


参考文献
  • JR東海:「車両のご案内」、http://railway.jr-central.co.jp/train/local/detail_03_01/、2015年8月参照


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