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〜 JR南武線 −激動の時− 〜

機械工学科3年 3008番 R.I

1. はじめに

 JR南武線は東京都の立川と神奈川県の川崎を結ぶ全長35.5kmの路線である。途中駅では東急、小田急、京王といった他社線との接続もあり通勤通学において非常に重要な役割を果たしている。武蔵小杉駅では2010年より横須賀線・湘南新宿ラインが停車するようになり、駅周辺の再開発が進み、タワーマンションがいくつも建設された。昭和44年から同53年にかけては快速電車も運転されていたが、しばらく取りやめとなっていた。それが2011年に復活した。その時の快速区間は川崎〜登戸であった。2014年には稲城長沼まで延長、そして2015年には立川まで延長され遂に全線での快速運転を実現した。


2. 車両

 2015年8月現在走っている車両は205系0番台、205系1200番台、209系2200番台、E233系8000番台である。この記事を書いた時点でE233系は24本まで増えており最終的には35本製造される予定である。またE233系全体ではこの8000番台をもって製造を終える。
205系0番台

写真1 205系0番台
205系1200番台

写真2 205系1200番台
209系2200番台

写真3 209系2200番台
E233系8000番台

写真4 E233系8000番台
 首都圏でも残り少なくなった205系であるが、南武線の205系は生え抜き編成と転属編成の二つに分けられる。205系では山手線からの余剰車を大量に入れてこれによりそれまで走っていた103系電車を完全に置き換えたのだった。二年ほど前までは編成番号の表記方法が生え抜きは札、転属はシールとなっていたが盗難防止のためかすべてシールに変わってしまった。見分けるポイントはまだ他にもあり生え抜きは側面ドア窓が大型で転落防止幌にラインカラーが入っている、転属はドア窓が小型で幌はグレー一色である。内装でも違いは見受けられる。網棚の形状が前者はパイプ、後者は金属製の網となっている。これらは代表的なもので、他にも相違点があるようだ。
 1200番台は全国でもここだけの区分であるが似たような顔を持つ電車が南武支線、鶴見線、宮城県の仙石線にもいる。これらはいずれも中間車に運転台を取り付けた先頭車化改造を施したものである。
 209系は南武線用に作られた0番台が二本所属していたがいずれも現在は廃車となっており、最後に残っている編成は2200番台といい京浜東北線から来た三本のうちの一本である。209系は元々幕式の行先表示であったが生え抜き車は南武線の快速運転開始に合わせてLED化、2200番台は転用改造の際に同じくLED化された。
 そして最新型のE233系8000番台は従来車に比べ乗車定員1割増加、車内照明はLEDを用いており座席の色はラインカラーを意識した黄と茶で仕上がっている。茶色だからといって下品なものを想像してはいけない。座席も209系に比べ柔らかくなり乗り心地も向上した。しかし205系のようなスプリングの効いたフカフカ座席にはなっていない。


3. まとめ

 少量の説明ではあるが、これを見るだけでも今の南武線には様々な車両たちがいることが分かる。そう、それがこの路線の面白さである。ホームで電車を待っているとき今日は何が来るかを考えるとワクワクして楽しいのだ。しかし来年には置き換えが完了するため一目見た限りではどれも同じに見えてつまらなくなってしまう。もしも少しでも興味があれば訪れてほしいと願っている。都会の人々を運び続けた老兵たちが最後までモーターをうならせ活躍するその姿をぜひ見てもらいたい。基本的なことのみの記事になってしまったが、最後まで読んで下さった方には感謝を表したい。


参考文献
  • JR東日本:「JR東日本2014年3月ダイヤ改正について」、https://www.jreast.co.jp/press/2013/20131217.pdf、2015年8月参照
  • 曽根 悟:「学研の大図鑑 JR全線・全駅舎(東日本編)」、学習研究社、pp.238-239、2003年2月25日初版発行
  • 恵 知仁:「JR全線読みつぶし・乗りつぶし」、白夜書、pp.166-167、 2008年7月15日初版第1刷発行


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