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〜 京成電鉄AE形 (2代目) 〜

精密機械工学科1年 5059番 T.K

1. この記事の概要

 2010年7月17日のダイヤ改正で、成田スカイアクセス線(正式名称は、京成成田空港線)の開業によりAE形(二代目)を使用したスカイライナーの運行を開始した。この記事では、筆者の最寄り路線である京成線の2代目AE形と、定期運用している「スカイライナー・モーニングライナー・イブニングライナー」について記述する。
京成AE形

写真1 京成AE形

1-1. AE形の概要と内観

 2010年7月17日開業に合わせ成田空港線(成田スカイアクセス線)用の新型特急として製造された。160km/h運行が可能な走行性能に、乗り心地向上を図るための動揺防止装置や、気圧変動による耳ツンを防止するための扉押え装置を採用した。また、同年9月27日に京成電鉄では初の「グッドデザイン賞」を受賞した。グッドデザイン賞は、昭和32年(1957年)に通商産業省(現経済産業省)によって創立された「グッドデザイン商品選定制度」を継承したもので、財団法人日本産業デザイン振興会が主催する、総合的なデザイン評価・推奨制度である。
 サービス面では乗降口と客室扉の幅やシートピッチ、座席幅、荷物スペースを拡大するなど、「速さ」と「快適性」を追求した車両とした。この車両のデザインを、世界的に著名なデザイナー・プロデューサーの山本寛斎氏が手掛け、「風」と「凛」をデザインコンセプトに、スピード感あふれる外観と、快適な室内空間を実現した。
 車体先端から肩部に連なるシャープなエッジと窓下の細い2本のブルーのラインが、スピード感溢れる「風」を表現している。山本寛斎氏による車体側面のロゴマークも風を表現しており、毛筆によりデザインされ、スピード感を表している。
 スピード感を表現するため、カラーリングにもこだわっている。車体塗装にはウインドブルーとストリームホワイトを使用している。将来需要の増加に対応するために10両編成の運行も予定されている。
車内

写真2 車内
座席

写真3 座席

1-2. 車内設備

 現在AE形は8両編成で運行されており、各車両に大型の荷物置き場が設置されている。防犯カメラも設置されており、セキュリティを向上させた。4号車にジュース類自動販売機・サービスコーナーと自動体外式除細動器(AED)が設置され、5号車に男性用トイレ、男女共用トイレ、多機能トイレ、洗面所が設置されている。全席に、コンセントとテーブルが設置されており、パソコンなどの使用が可能である。
男性用トイレ

写真4 男性用トイレ
共用トイレ

写真5 共用トイレ
多機能トイレ

写真6 多機能トイレ
洗面所

写真7 洗面所
自販機

写真8 自販機
荷物置場

写真9 荷物置場


2. スカイライナーの概要

 スカイライナーとは、東京都台東区の京成上野駅と千葉県成田市の成田空港駅を成田スカイアクセス線経由で走行している最高速度160km/hの列車である。夜間の下り方面以外終日運行されている。この列車は全席指定となっており、2015年3月14日に北越急行ほくほく線特急「はくたか」が廃止されて以降、日本の在来線では唯一最高速度160 km/h運転を行う列車でもある。2010年7月17日から営業運転を開始した。
 乗車の際には、乗車券や定期券、IC乗車券のほかにライナー券が必要である。京成上野〜日暮里間と、空港第2ビル〜成田空港間のみの乗車はできない。所要時間は、東京都荒川区の日暮里駅から千葉県成田市の空港第2ビル駅まで最速36分である。停車駅は、京成上野・日暮里・空港第2ビル・成田空港である。始発スカイライナーが、成田空港発7:28、最終スカイライナーが京成上野発18:20で、早朝に成田空港に到着する便や、夜に成田空港を出発する便の利用客に対応している。


3. モーニングライナー・イブニングライナーの概要

 モーニングライナーとは、成田空港駅と京成上野駅を京成本線経由で走行する列車である。朝のラッシュ時に上り4本が運行されており、内2本が千葉県成田市の京成成田駅発となっている。この列車は号車指定制となっており、乗車駅ごとに異なる指定された車両に乗車する。
 乗車する際には、乗車券や定期券、IC乗車券のほかにモーニングライナー券が必要である。モーニングライナー券は座席定員分のみの販売のため、完売した際には乗車できない。発車時刻30分前から発売され、発車時刻になると発売が終了する。停車駅は、成田空港・空港第2ビル・京成成田・京成佐倉・八千代台・青砥・日暮里・京成上野である。また、青砥・日暮里から乗車することはできない。モーニングライナー券代は乗車区間にかかわらず、大人410円、子供210円である。(2015年7月時点)
 イブニングライナーとは、京成上野駅と成田空港駅を京成本線経由で走行する列車である。夜間のラッシュ時に下り7本が運行されており、内3本が京成成田駅止まりとなっている。この列車は号車指定制となっており乗車駅ごとに異なる、指定された車両に乗車する。また、この時間帯はスカイライナーが運行されていないため、成田空港へのアクセスの役割も兼ねている。最終便が京成上野発23:00で、早朝のLCC(格安航空会社)利用者も利用できる。
 乗車する際には、乗車券や定期券、IC乗車券のほかにイブニングライナー券が必要である。イブニングライナー券は座席定員分のみの販売のため、完売した際には乗車できない。発車時刻30分前から発売され、発車時刻になると発売が終了する。また、先頭の1号車は乗車日の1か月前から前日まで前売り販売されている。停車駅は、京成上野・日暮里・青砥・八千代台・京成佐倉・京成成田・空港第2ビル・成田空港である。また、空港第2ビルから乗車することはできない。イブニングライナー券代は乗車区間にかかわらず、大人410円、子供210円である。(2015年7月時点)
券売機

写真10 券売機
乗車案内

写真11 乗車案内


参考文献
  • 京成電鉄:「電車情報」、http://www.keisei.co.jp/keisei/tetudou/accessj/、2015年8月参照
  • 京成電鉄:「新型スカイライナー(AE形)が「グッドデザイン賞」を受賞しました」、http://www.keisei.co.jp/keisei/kouhou/news/22-066b.pdf、2015年8月参照
  • 京成電鉄:「車内設備・デザイン」、http://www.keisei.co.jp/keisei/tetudou/skyliner/jp/ae_design/、2015年8月参照


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